風況を実測するという意味では、気象庁の各地方にある気象台の情報をとても参考となります。また各気象台の高さもとても重要です。場所によっては、10mから数10mに及びます。そこを参考に試算を行う訳ですが、ある地点を測った際に面白い実例があったので、ご紹介します。

御前崎気象台の風況は、1932年から創立されたので、そこから風況を試算できるのですが、なんと以下のように風況が明らかに変わってしまっているのです。

静岡県の御前崎にある御前崎測候所は、1932年(昭和7年) 1月1日に創立し、その標高は45mである。

気象観測所として適地にあるが、1970年~1985年頃にかけて 風速が減少している。年平均風速は、
1965年頃には5.75m/s 程度
1985年以後には5.0m/s 程度
風速の減少率=(5.75-5)/5.75=13%である。

一般に、年平均風速が減少すると、「陽だまり効果」によって年平均気温が 上昇する。

67.静岡県の御前崎測候所

実は、こちらが想定した年間平均風速(約5.8m/s)と実平均風速(4.9m/s)があまりにかい離あるために、どうしてこうなったのだろうといろいろと調べている際に上記引用の記事にぶつかりました。つまり障害物が少ない時期には、5.75m/sであったものが、年を経るにつれ、建物が増え、5.0m/sまで減少したという話です。

これは明らかに障害物の増加が風況に影響を与えている例で、様々な指数を入れて計算したとしてもなかなか実風速と同じになりません。もともと風況のソフトというものは、摩擦の少ない平野部を前提に試算されているので、障害物がある場合は、上記のような数値となってしまうのでしょう。

ただここで問題は近くの気象台を参考にしようとした場合に、都市部にある気象台ではそもそも参考にすらならないという事実です。様々な風況予測は気象台をもとに試算されているため、このような大きな差は事業化に大きな影響を与えてしまいます。しかしなんとなく気づいていたことが、このように明らかにしてくれる方がいらして本当にありがたい話でした。